林芸モノとは
林芸モノは、山の中にある無数の造形を見出し、人間の生活空間へ届けるシリーズです。
木、枝、根、樹皮、節、割れ、曲がり、朽ち、痕跡。
それらは、誰かが一から作った形ではありません。
時間、環境、光、水、土、生きものとの関係の中で、すでに形づくられていたものです。
林芸モノでは、そうした森の中の造形を、ただの素材としてではなく、ひとつの存在として扱います。
物体としてのモノ。唯一のモノ。
「モノ」という言葉には、物体としての意味があります。
同時に、どこか名づけきれない存在としての気配もあります。
林芸モノは、家具でも、工芸品でも、彫刻でも、素材でもあります。
けれど、そのどれかひとつに収まりきるものではありません。
山の中に無数に存在しながら、二つとして同じものはない。
その一点性を、人の暮らしの中に置くための試みです。
最小限の手を加える
林芸モノでは、形を作り込みすぎるのではなく、すでにそこにある造形を活かすことを大切にしています。
切る、磨く、整える、固定する、置けるようにする。
必要な加工は行いますが、中心にあるのは、人間が作った形ではなく、森の中で生まれていた形です。
人間の役割は、作ることだけではありません。
見出すこと、選ぶこと、切り出すこと、届けること。
そこにも、ひとつの表現があります。
林業芸術社の活動から
林芸モノは、一般社団法人 林業芸術社の活動から生まれました。
林業芸術社は、山に入り、木を伐り、運び、製材するだけでなく、道をつくり、水の流れを見直し、木を植え、風景そのものに関わる活動を行っています。
林業と芸術を分けるのではなく、森に関わる行為そのものを、未来の風景をつくる創造的な実践として捉えています。
林芸モノは、その活動の中で出会った、森の中の造形を人の生活へつなぐためのシリーズです。